30代の薬剤師が転職を成功させるために知っておくべきこと

薬剤師転職30代

もうすいぶん長く働いてきたと感じられるかもしれませんが、30代の薬剤師であるあなたのキャリアはまだ始まったばかりです。40代と30代とでは、薬剤師としての仕事のキャリアは倍近く異なります。65歳まであと30年以上働くことは確定していて、さらに、30代の薬剤師が壮年になるころには人生100年時代を迎え、70代、80代まで働くことが当たり前になるでしょう。

 

人生100年時代になると、60代で引退するのはあまりにも早すぎるのです。60代で引退して天寿をまっとうするまでの40年間を、貯金と年金で暮らすことはできません。したがって、人生を教育、仕事、引退の3ステージに分けるとすると、仕事のステージが長期化します。このことは必ずやってくる未来です。

 

このような未来をみすえたうえで、もしあなたが当初思い描いた理想像とかけはなれた現実にうんざりしているようであれば、おそらく今が転職に最適な時期と言えるでしょう。退屈な、あるいはストレスフルな毎日を、今後40年近く続けることはできない以上、どこかで決断する必要があり、求職者側の都合だけでなく企業側のニーズを考え合わせれば、30代は転職にうってつけのボーナス時期です。

 

30代はなぜ転職に適した時期なのでしょうか

ひと昔は、転職は33歳までにしなければ難しくなるといわれていました。もちろん、薬剤師は手に職がありポータブルな(持ち運び可能な)スキルを国家資格が保証してくれるので、他の業界よりは転職が容易ですが、それでも中年以降になると転職がしづらくなるといわれてきたのです。

 

この事情は主に求職者の側ではなく採用側の事情によります。あまり長いキャリアをもつ中年以降になると、企業文化をまっさらな心で受け入れることがだんだん難しくなります。企業としてはそのような人材は少々扱いづらく投資対象として魅力的でありません。また、せっかく教育しても20年、10年しか自社に貢献してくれない人よりも、同じ採用コストをかけるのであれば、30年以上貢献してくれる人材のほうが投資効率がよく投資先として魅力的です。

 

30代に限らずあらゆる年齢層において転職は、疑いもなく、あなたの人生、人間関係、さらには健康に影響を与えます。うまく転職に伴うストレスを乗り越えたら、不満足な職場を離れて、満足できるキャリアに向かって進むことができます。毎日を鬱々と過ごすには40年は長すぎます。

 

転職は言うまでもなく、若ければ若いほど有利です。その理由は先ほど述べた企業の「投資回収」の論理が働くからです。また求職者である薬剤師の側も、40代、50代になるにつれて転職のリスクを冒せないようになります。30代で住宅ローンを抱えている人も多いかもしれませんが、40代になればその割合はもっと大きくなります。まだ30代のあなたはマイホームを購入していない可能性もありますが、40代になると購入に踏み切る可能性も統計的に高くなります。また30代の多くが結婚をしたか考えていますが、40代になれば子供の高等教育の費用が現実のものとなります。

 

薬剤師が30代で転職するには

30代での転職は、企業がきちんとしたキャリアパスを提示し、薬剤師としての未来像を長期的に描けるかを重視してください。また、上場企業であれば決算資料などをみて将来に向け必要な投資をしているかにも着目してください。さらに、あなたの薬剤師としてのスキルアップするシステムがあるかどうかにも目を配りましょう。

 

要するに30代の薬剤師転職においては、目先の求人票に現れた短期的な「待遇」だけでなく、企業の将来性とともに、あなた自身の長期的なスキルアップの環境を見極める必要があります。

 

30代転職のいくつかの困難

30代のあなたは、もう第二新卒という言葉をつかえる年齢ではなく、40代ほどではありませんが社会人10年選手として相応の知識・経験やリーダーシップを求められます。

また転職には、相応の時間をかける必要があります。今の状況を抜け出すためには、必要なコストです。

 

この記事を書いた人(著作権者)

八坂トモキ(転職コンサルタント、ファーマシス™所属ライター)

 

 


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