【人生100年時代】薬剤師が出産・子育て後に再就職するためのノウハウ【ベストセラーLIFE SHIFT準拠】

薬剤師再就職

これからは、出産・子育て後に働くことがあたりまえの時代に

いま出産を終え、あるいは子育てを終えて再就職をお考えの薬剤師さんの中には、純粋な「薬剤師」として働いたことがないペーパー薬剤師さんもいらっしゃるはずです。

あるいは出産まで勤めていた会社に、復職しようかどうしようかで迷われていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?

 

ペーパー薬剤師で薬剤師として勤務したことがない自分が、果たして薬局できちんと職務を遂行することができるのだろうか、変化が著しい調剤の世界に戻ることができるのだろうか、新たな人間関係の中でうまくやっていけるのだろうか? 出産後の再就職をお考えの薬剤師さんからそんなご不安を多く耳にします。

 

しかしご心配には及びません人生100年時代の働き方や生き方を分析してベストセラーとなったリンダ・グラットン著『ライフ・シフト』では、これからの時代、職業人生はマルチステージになると述べています。

 

これまでの人生80年時代においては、人生は「教育→仕事→引退」の3ステージに分かれていました。そして日本の場合には、その仕事ステージが終身雇用制のもと、新卒から定年退職まで1つの職場で勤めあげるというのが典型モデルであったわけです。

 

ところが人生100年時代になると、そのような単純な3ステージで人生を終わる人は圧倒的に少数となります。薬学部などの教育期を終えて社会に出た後、80歳までは仕事をするこの時代にあっては、多くの方がブランクを経験することになります。それは子育てであったり介護であったりするのです。あるいはまた、自分探しの「エクスプローラー」としての活動を行う人もいます。

 

1つのステージを無事に終えた後、もうひとつ別のステージを経験することは、人生をポリフォニックに豊かに味わうことです。人生における第二のキャリアは人生100年時代においては少数派のみが体験するのではなく、多数派の生き方であるのです。もちろんそのためには、ステージを「移行」する能力が求められます。新たな人間関係をうまく構築することも、その能力のひとつです。

手前みそながら、そのような人生におけるステージ移行(=転職)をお手伝いする転職サービスの興隆も、時代の流れと言えるでしょう。たった3ステージで完結する人生から、マルチステージの多様な人生に人々の人生が転換(=ライフシフト)するのですから、「移行」をサポートする職業(=転職サービス)が生まれているわけです。

 

多くの人々がこのステージ移行能力の獲得に四苦八苦する中、「薬剤師」という国家資格で裏打ちされたポータブル(持ち運び可能)なスキルをもつ薬剤師は、この再就職(=ステージ移行)が当たり前の「人生100年時代」を軽やかに生き残ることができる可能性が高い職種と言いうるのです。

 

特に女性にとって、国家資格により能力を証明できる薬剤師は、他の職業の女性よりも圧倒的に社会復帰が容易で、絶大なるアドバンテージを持っています。これも薬学部の学生時代に実験、実験の毎日を頑張りぬいたご褒美といえるでしょう。

 

30代女性アンケート:薬剤師の出産後の再就職・職場復帰

薬剤師出産再就職

私は、大学卒業後はいわゆる門前薬局で調剤をしていました。

単科のクリニックの門前だったため扱う医薬品も限られており、すぐに仕事に適応することができて薬剤師としての第一歩は比較的スムースにいって、当時の職場や同僚には感謝しています。

 

結婚して妊娠が判明した時、退職して仕事をいったん中断することに迷いはありませんでした。

薬剤師は国家資格ですし、育児にひと段落がついてからの職場復帰は十分に可能と考えていたからです。

むしろそのメリットがあるからこそ、薬剤師を職業に選んだといっても過言ではありません。

 

再就職する際は、近場でパートで働ける薬局を(キャリアコンサルタントに方に)探していただきました。

転職エージェントは無料で使え、初めに条件さえ伝えておけば希望にあう求人があれば教えていただけるので、時間が限られている私にはとても助かりました。

 

キャリアコンサルタントのアドバイスで、調剤を併設しているドラッグストアを第一希望としました。

初めから調剤の仕事は荷が重かったので、まずはOTCの販売に配置していただくよう会社と交渉していただきました。

結果、車で15分程度の隣駅にちょうどよい求人をみつけていただき、調剤を担当しない薬剤師として復帰しました。

 

薬剤師として再就職してから2年ほどたったとき、調剤部門の同僚が1人、近隣にできた新店に異動することになりました。その埋め合わせとして私に調剤への配転のお話があり、今は調剤部門で働いています。

 

調剤に異動するまでに、調剤の薬剤師とも同僚としてすっかり気心が知れていましたし、私の店舗でよく出る医薬品について予め勉強しておくこともできたので、結果として非常にうまくいった再就職でした。